夜勤の労働災害に救急車を呼び怒られた経験

私が勤務していた工場での出来事です。中堅企業で、ラムネ菓子を製造する会社でした。原料の粉末を混合し、それを粉体成形してラムネ菓子を製造していました。

多くのメーカーがそうであるように、3交代制で真夜中も生産活動を続けています。給与もそこそこで、残業手当や夜勤手当もきっちりと支払われ、決してブラック企業とは言えない会社でした。

しかし、ある夜勤の時に、同僚が機械に指を詰めて、大けがを負いました。真夜中でもあり、どこの病院に搬送すべきかも分からず、その夜勤時のリーダーであった私は救急車を呼びました。

幸い、同僚の指は何とか繋がり、事なきを得ました。翌朝、出勤してきた上司に事の顛末を報告すると、なぜ救急車を呼んだのかと激しく叱責されました。

最初は、なぜ救急車を呼んだのが悪いのか理解できませんでした。しかし、その上司は労災にカウントされるのに、なぜ普通に病院に連れて行かずに、救急車を呼んだのかと言った事で怒っている意味がようやく理解できました。

企業は、ブラックでなくても、会社に不利になる事は避けようとするものだと初めて本質が理解できました。必要な制度としてあるものを使う事で叱責される理不尽さに腹が立ちました。

こんな労務管理の企業は、業績が少し悪化すれば、すぐにブラック企業に変身するのだろうと嫌気がさした体験でした。